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極上の夏休みは、「ファッション-時代を着る」展へ

2011年07月27日 17:27

Category : rie_miyata

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。


今年の夏休みのご予定はいかがですか?
円高の影響があるから、海外旅行もとても魅力的ですが、
日本復興も意識して、
国内旅行もいいものではないでしょうか。

今回は、そんな国内旅行としても楽しめる上、
ファッションの頂点を知ることのできる、
貴重な展覧会をご紹介したいと思います。

「ファッションは変化し続けるもの」と
こちらでも何度か取り上げさせて頂きましたが、
目先のトレンドが脚光を浴びやすいファッション。
実は、そのトレンドも元を辿ると長いモードの
歴史に裏付けられています。

例えば、映画『プラダを着た悪魔』でも
ファッションを軽く見ていた主人公(アン・ハサウェイ)に
モード誌編集長(メリル・ストリープ)が
「あなたの今、着ている服も、あるデザイナーが生み出した
モードな装いがはじまりなのよ」とさとすシーンがありました。

普段はなかなかハイファッションの最先端を
実物で知る機会がありませんが、近年は歴代の傑作を
集めたファッション展覧会が増えて、
モード史を振り返るチャンスが広がっています。

熊本市現代美術館で開催されている「ファッション-時代を着る」展は
厳選された約100点を集め、20世紀初頭から現代に至る
ファッション史を見渡せるとても意義深い展覧会です。
期間は2011年9月4日までです。

古い物ではシャネル、クリスチャン・ディオール、スキャパレリ、
ピエール・バルマン、イヴ・サンローラン、ピエール・カルダンなどの
歴史的名作が、新しい作品ではフセイン・チャラヤン、プラダなどの
代表作がずらりと並ぶ様は、目の前にするだけで、
おしゃれゴコロをインスパイアしてくれるに違いありません。



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ピエール・バルマン 1956年春夏 所蔵/京都服飾文化研究財団 撮影/畠山崇

花束をそのまままとったかのようなピエール・バルマンの
裾広がりドレスの優美さには息を呑みます。




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アメリカ1966年頃 所蔵/京都服飾文化研究財団 撮影/畠山崇

アンディ・ウォーホルが有名にしたキャンベルの
スープ缶をあしらったスリーブレスドレスには
ポップアート全盛時代の弾ける勢いが感じられます。




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イヴ・サンローラン1967年春夏 所蔵/京都服


極彩色のペイズリー模様で全身を埋め尽くした
イヴ・サンローランのドレスはエスニックや
アフリカンに造詣の深かったデザイナーの
先進的なクリエーションを物語っています。




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ジャン=ポール・ゴルチエ 1987年春夏 所蔵/京都服飾文化研究財団 撮影/畠山崇

エルメスを離れて再び脚光を浴びるジャン=ポール・ゴルチエ。
赤と黒の2色で、バストを目立たせたコルセットドレスは
ランジェリーをアウターと融合する試みの先駆けでした。




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コム・デ・ギャルソン 1997年春夏 所蔵/京都服飾文化研究財団 撮影/畠山崇

下腹部を前に出っ張らせ、抱き枕を
ドレス下に仕込んだような異形のワンピースは
コム・デ・ギャルソン流アバンギャルドの真骨頂です。


トム・フォードがブランド再生を果たしたグッチや、
故アレキサンダー・マックイーンがデザインを任された
ジバンシィなど、稀少なドレスからデザイナーマインドを
読み取るのは、ファッション展覧会ならではの楽しみ方です。

日本からはイッセイ・ミヤケ、ヨウジ・ヤマモト、
コム・デ・ギャルソン(川久保玲)らの大御所に加え、
気鋭のmatohu(まとふ、堀畑裕之、関口真希子)、
ミントデザインズ(勝井北斗、八木奈央)、
ミキオサカベ(坂部三樹郎、シュエ・ジェンファン)などが選ばれています。




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フセイン・チャラヤン1995年秋冬 所蔵/京都服飾文化研究財団 撮影/広川泰士



ドレスだけではなく、1860~90年代のコルセット6点、
ヴィヴィアン・ウエストウッドやトキオ・クマガイの
靴24点など、様々なアイテムが展示されています。



「パンクの女王」という異名を取ったヴィヴィアン・ウエストウッド。
80年代にボディーコンシャスのブームを生んだアズディン・アライア。



それぞれの時代を象徴する服を時代順に眺めていくと、
リアルなファッション史が自然と頭の中にしみ込んでくる気がします。



ミニスカートの先駆者、クレージュ、
ニットをモードに持ち込んだソニア・リキエル、
ミラノに君臨し続けるジョルジオ・アルマーニ、
ニコラ・フォルミケッティを迎えて再生したティエリー・ミュグレーなど、
彼らの功績や実力を感じ取ることは、自分のおしゃれ感度を
磨く上でまたとない絶好の機会となるはずです。



1点1点の好き嫌いを意識していくだけで、
自分らしいスタイルがぼんやりと輪郭を結ぶかも知れません。



私が、個人的に以前から好きなのは、
60年代スウィンギング・ロンドンを代表するビバ。
写真集はそろえていますが、国内で実物を
目にできる機会は少ないので、ありがたい展覧会です。



ファッション誌でチェックしているつもりでも、
実物の印象はずいぶん異なることが多いもの。



シルエットの立体感や、刺繍のディテールなどは
短いランウェイショー映像や1方向からの写真では
なかなかつかみにくいのですが、
この展覧会では人型に着せた状態のディスプレーを
ほぼ360度全方向からぐるっと見て回れるので、
素材の質感を含めてじっくり出来栄えを堪能できます。



時間やスペース、角度の制約を受けないで、
思う存分、眺め倒せるのは、ぜいたくな体験と言えそうです。



ファッションはうつろいゆく定めにありますが、
繰り返す傾向もあります。だから、一世を風靡した
過去のモードを頭に入れておくことは、
この先のトレンドを先読みする上でも役に立ちます。



あのドレスと、この靴をミックするとといった
自分流コーディネートに思いを巡らすのも、
面白い鑑賞の方法でしょう。



展覧会は、京都服飾文化研究財団(KCI)と
熊本市現代美術館の共催事業です。



KCIを支援しているワコールの協力もあり、
素晴らしい展覧会になっています。



期間中にはmatohuの代表作「長着(ながぎ)」を
中心とした作品展示「matohu 慶長の美」
(井手宣通記念室、入場無料)も開催されます。
両デザイナー参加のアーティストトーク「めざせ!デザイナー」
(8月6日14:00~15:30、ホームギャラリー、入場無料)も開かれます。



熊本市は九州新幹線全通のおかげもあって、
さらに行きやすくなっていますし、
馬肉や魚介などの食べ物がおいしい街です。



私は夏休みに、この展覧会を見るために
熊本に行くことにしました。今から楽しみです。



ファッションの歴史に触れる
知的な旅に浸ってきたいと思います。




【展覧会情報】
展覧会名: 「ファッション-時代を着る」展
開催期間: 2011年6月25日(土)~9月4日(日)
会場: 熊本市現代美術館 企画展示室1・2
開館時間: 午前10時~午後8時(展覧会入場は7時30分まで) 
休館日: 火曜
観覧料: 一般1,000円、高・大学生500円、小・中学生300円
      熊本市、福岡市、鹿児島市の市内小・中学生は無料

「ファッション-時代を着る」展
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