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RIE MIYATA

2014-15秋冬トレンド着こなし総集編

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

夏のセールがスタートし、この夏のプラスワードローブを探すのに絶好の時期ですね。そして、セール後には秋物がウィンドウを飾り始めます。さて、次の秋はどんなテイストやアイテムが浮上してくるのか。「ガリャルダガランテ」のルックブックから、今から押さえておきたい2014-15秋冬トレンドに沿った着こなしを5パターンにまとめてみました。この秋冬のアレンジやショッピングに役立ててみてくださいね。

◆ソフィスティケイテッドスポーツ

スポーツテイストのアイテムを、お決まりのカジュアル顔でまとめないで、リュクスに整えたり、洗練された着こなしにアレンジしたりする新スタイリングが秋冬の話題を集めそうな気配。アスレティックな気分を薄めに取り入れつつ、上質な大人ムードで仕上げるさじ加減がポイント。スポーツ物は1、2点にとどめて、残りはエレガンスやフェミニンを軸に組み上げる着こなしを意識して。

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サッカー気分のナンバリングTシャツに縦縞のパンツスーツを合わせ、モノトーン系でミックステイストにまとめ上げました。斜めに傾けてかぶった帽子でマニッシュな雰囲気を漂わせる一方、凛々しいハイヒール靴で足元にフェミニンを薫らせています。

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浅めにカットしたV襟トップスは七分袖Tシャツに見えて、実は薄手のニット。上質な織りが生んだやさしい風合いがほのかなスポーツテイストを引き寄せています。膝丈スカートがレディーライクなたたずまい。リボン付きスニーカーも軽快さとたおやかさを同居させています。

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スウエット生地の丸首トップスは、ウエストに巻いたリボンが女らしさをプラス。ライン入りニット帽が少しだけストリートの空気感をオン。つややかなバイカラーのウイングチップ靴が紳士の落ち着きを加え、スポーティーとマニッシュを交じり合わせました。

◆モダンレイヤード

秋冬はレイヤード(重ね着)が楽しいシーズンですが、来季はルールが変わります。これまでは割とカジュアルめのスタイリングがよくみられましたが、14-15秋冬は大人っぽいレイヤードにシフト。重たく見せないすっきりスタイリッシュな着姿に寄せて。

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チェック柄シャツに、上質な白ニットを重ねて、クリーンなレイヤード姿に。襟や袖先、裾と、トップスのあちこちからシャツをのぞかせて、全身ホワイトのミニマルな装いにクールなリズムを添えています。袖をまくり上げ、クロップト丈で足首を見せているので、アクティブな雰囲気が生まれています。

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レースを裾から余らせるのは、フェミニンレイヤードのお約束。裾からレースがちらりとのぞくブラウスはレイヤード仕立てのワンセット。レオパード柄のカーディガンが華やぎを加えています。ボトムスはシンプルなパンツでスレンダーに仕上げました。

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着ぶくれして見えがちなレイヤードの常識を裏切る新テクニックがベストを重ねるアウターレイヤード。袖が出る分、量感が抑えられて、全体に立体的な景色に。デニムGジャンの上から、ツイードのダウンベストをオン。生地感の違いを際立たせました。

◆ワーク&ユーティリティークチュール

メンズで先行したミリタリーやワークウエアがウィメンズにも飛び火して、硬質なムードが上昇気流に乗っています。ただし、メンズとは違って、クチュール感を加味した新テイストが来季の見どころ。タフさやハード感をフェミニンやノーブルでたおやかに味付けして、別の表情を引き出して。

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軍服に起源を持つトレンチコートに、ストライプ柄のパンツ・セットアップを組み合わせ、マニッシュとレディー感を交錯させています。コートの前を開けて、袖をまくり上げることによって、全体のバランスをソフトに着地させました。パールのネックレスがつやめきを添え、ハイヒールがエレガントに足元を引き締めています。

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モッズルックの復活もあって、ミリタリー系アウターはこの秋冬に街を席巻しそう。あえて上品ムードの膝丈タイトスカートでコーデ。一筋縄ではいかない深みを着姿に忍び込ませています。ストリート感覚でまとめてしまうと、子どもっぽく見えがちですが、節度を感じさせる膝丈タイトが利いて、幼く見えません。

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上下一体のいわゆる「ツナギ」は作業着っぽく映るアイテムですが、上質な仕立て感が残る白シャツで合わせて、スタイリッシュな着姿に落ち着かせました。エンジニア気分を宿すアイテムにも、ネックレスを添えてレディーの風情を漂わせています。よく磨かれたカッチリ顔の紳士靴に素足を滑り込ませて、きちんと感をさらにプラス。

◆デニムリュクス

華々しくカムバックしたデニムの着こなしバリエーションが拡大してきました。ちょっと懐かしいオーバーオールも脚光を浴びる存在に。キッズっぽい見栄えに引きずられない、大人風のアレンジがこの秋冬の流儀。デニムをきれいめに着こなす技を覚えれば、もっとデニムを楽しみやすくなります。

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ボーイズライクに映りやすいオーバーオールを大人が着るなら、こんなスタイリングが選択肢になるはず。まず選ぶべきなのは、細身のシルエット。ブカブカの形はいかにも作業着っぽく見えてしまいます。ノースリーブのシャツでスタイリッシュなイメージを差し込み、腕と足首を見せて健康的なセクシーも演出。肩に掛けたチェーンバッグでエレガンスも呼び込んでいます。

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定番のインディゴジーンズは裾をロールアップして自然体の雰囲気に。はかなげな風合いのレーストップスを重ねて、フェミニン濃度をアップ。ブルーのカーディガンは大胆に傾けて片袖を無造作に垂らすアシンメトリーのまとい方がモード感を引き出しました。レオパード柄のビッグクラッチを握るようにつかむ仕草もこなれた雰囲気に導いています。

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ワークウエアの風情が濃いデニムシャツは、アレンジ次第でここまで上品に整えられます。チェスターコートを羽織ってシャツの面積を減らしつつ、袖口では折り返してしっかり主張。襟ボタンは上まで留めてブローチを添え、きちんと感を出しました。膝丈スカートは英国トラッドを感じさせる古典的チェック柄で、デニムシャツと調和しながらも全体を落ち着かせています。

◆タイトシルエット

アウターが主役になる秋冬は重ね着が増えて全体的にビッグシルエットに向かいがち。でも、腰から下を細身に仕上げると、ボリューム格差が出て着やせ効果が大きくなります。トレンドアイテムの膝丈・ふくらはぎ丈スカートはスレンダーな印象を目に飛び込ませるから、秋冬にまとうとうれしい細感が手に入ります。

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白は膨張色という思い込みから敬遠している人が珍しくありませんが、タイトなシルエットで、しかも膝を隠す丈があれば、ちゃんと細いイメージが出ます。コンパクトなデニムの白スカートは鮮烈な印象を与え、ブーツからのぞく白ソックススとも共鳴。清潔でコケットなムードを醸し出しています。全体を白×黒のツートーンで統一しているから、なおさらストイックなキリリ感が引き立っています。

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細身スカートの禁欲的な風情にぴったりなじむマテリアルがつややかな黒革。ミステリアスな光沢を宿すレザーはスリリングなボトムショットを切り出してくれます。ラグビージャージのような極太ボーダー柄のトップスでレザーとの異素材ミックスを際立たせました。さらにファークラッチを加えて、リッチ&グラマラスな装いに昇華。端正なハイヒール靴でシャープな眺めをフィニッシュ。

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早くもヒットアイテムになっているテニス風V襟ニットで大人プレッピーのたたずまい。ニットのふんわり量感と好対照の細身スカートがすっきりした輪郭を描いています。英国大学調のボーダー柄スカートは膝丈のサイズ感とスレンダーなフォルムに良識が感じられます。ブリティッシュトラッドを印象づける革紐靴でスッキリとコーデ。

14-15秋冬トレンドを映す着こなし5パターンはいかがでしたか。5つに共通しているのは、これまでのセオリーにとらわれない斬新なアレンジ。シーズンやジェンダー、シーンをまたぎ越えるチャレンジングな着こなしがおしゃれのよろこびを深くします。これまでの秋冬シーズンとは違うスタイリングにトライして、新しい自分らしさを引き出してみてはいかがでしょう。

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