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RIE MIYATA

カール・ドノヒュー来日&室井由美子スタイリングのスペシャルイベント報告

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こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

すっかり肌寒くなり、冬ファッションが楽しめる季節となりました。今年は例年以上にファーがビッグトレンドとして浮上。数あるファーブランドの中でも、「ガリャルダガランテ」がレコメンドしているのは、上質なラムスキンと斬新なデザインで評価の高い、イギリス発のブランド「KARL DONOGHUE(カール ドノヒュー)」です。ガランテでは以前から取り扱いがあり、日本でも大人気のブランド。そのデザイナーのカール・ドノヒュー氏が表参道店に来店。さらに、ファッション誌で活躍中のスタイリスト・室井由美子氏のパーソナルスタイリングも受けられるという、何とも贅沢でスペシャルなイベントが開催されました。今回はそのリポートをお届けします。

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カールさんが来日して、イベントに参加するのは、日本ではめったにないこととあって、イベント当日は「ガリャルダガランテ 表参道店」に多くの顧客様が来店され、いつもにも増しての大盛況となりました。ドリンクが振る舞われ、当日、お買い上げいただいたお客様には先着順で「KARL DONOGHUE」のファーチャームまたは「KARL DONOGHUE×THE CASE FACTORY」のiPhoneケースをプレゼント。しかも店内ではプライスが10%オフ(一部対象外)。ゆったりした気分でお買い物を楽しんでいただけるよう、この日はアポイント制でお迎えしました。

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「KARL DONOGHUE」は上質なシアリング、レザー、ファーを用いたラグジュアリーなファーブランドです。表側だけでなく、内側も丁寧な職人技で仕上げているので、着心地が抜群。2016年秋冬シーズンは定番アイテムに加え、ラインプリントを施したアイテムや、鮮やかな色調のタイプも提案しています。イギリス出身のカールさんはドローイングやデザイン画を通してアートに惹かれ,」アートカレッジに入学。ロンドンに移り住んだ後、テキスタイルデザインの道に進みました。「Bella Freud」で経験を積んだ後、卒業と同時に自らのブランドを立ち上げました。

当日のカールさんは手を休めることなく、自ら進んでお客様に接していました。私のインタビューの前後も休憩を取ることすらなく、にこにこと応対していて、本当に素敵な英国紳士でした。カールさんはご自身もブリティッシュジェントルマン風のおしゃれ上手。物腰も柔らかくてチャーミングな方です。「僕のアイテムに、ガリャルダガランテの店内にあるアイテムを自由に合わせてほしい」とおっしゃって、自ら素敵なミックスコーディネートを提案してくれました。

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さらに、この日は人気スタイリスト・室井由美子さんによるパーソナルスタイリングという貴重な体験も用意されていました。室井さんはファッション誌『エクラ』『バイラ』、ウェブマガジン『ミモレ』などで活躍されているだけに、実にアドアイスが的確で、納得感の高い接客をしておいででした。優れた審美眼と、その人に似合うアイテムを見抜く力に優れ、リアルな着こなしや着回しが読者から支持されています。そんな腕利きスタイリストでありながら、フレンドリーな室井さんの笑顔に癒やされるお客様も多かったようです。室井さんからのスタイリング提案では、「KARL DONOGHUE」のファージレの上にレザーブルゾンを重ねたり、トレンチコートと合わせたりといった、さすがの着回しアイデアが披露されました。トレンチの上からファーやレザーを重ねるようなアドバイスもお客様の参考になったようです。

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デザイナーとスタイリストの両方からパーソナルなコーディネートを提案してもらえるという機会はなかなかありません。今回はそういう極めてレアなチャンスとなっただけに、お客様もとてもよろこんでいた様子。記念撮影をしながらショッピングを楽しんでいる方々もいて、普段の店頭とはずいぶん違った雰囲気に感じられました。レジ周りを見ていると、次から次へと商品が売れていって、脇で眺めていた私も段々焦って、買うほうに回ってしまいたくなるほどでした。

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私がカールさんに巻いてもらったのは、ラムスキンを用いた美しい発色のファーストール。いろいろなアレンジができるシグネチャー的アイテムです。長く垂らしたり、ぐるぐる巻いたり、さらにはボタンを留めたり、ボリューミーに巻いたりと、たくさんのアレンジを楽しめるのがとても魅力的でした。たすき掛けのように、ボディーを斜めに横切らせるアレンジも教えてもらえました。

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それではここからはカールさん直伝のコーデを、「ガリャルダガランテ」のスタッフの皆さんをモデルにおさらいしていくことにしましょう。まずは、私が教わったたすき掛け風のアレンジ。切りっぱなし裾のたっぷり幅ジーンズに、ファーストールを斜め掛けでオン。ファーがしっかり主張してくれているから、ジーンズがかさばって見えません。割とプレーンなカットソーとの落差が際立って、不思議と着やせして映っています。

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肩口から肘(ひじ)にかけてを包み込むように巻いた、まるでケープ風に見えるまとい方です。上半身に貴婦人ライクなノーブル感が出て、ジーンズとのテイストミックスが組み上がりました。高い位置に量感がある分、ウエストがほっそりして見えるおまけ付き。無造作っぽく巻いている感じが、気取らない上品ムードを呼び込んでいます。

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ファーを重たく見せないアイテムのひとつにベストがあります。袖がないので、レイヤードを自在に組み立てやすくなるのもファージレのいいところ。こちらは白の上にダークカラーのジレを重ね、ツートーンのすっきりした着姿に仕上げています。ファーに程よい量感があり、白系の装いにリッチ感や華やぎを添えました。

どのコーデも比較的シンプルなアイテムに「KARL DONOGHUE」を引き合わせるだけで全体のムードがグラマラスに様変わり。カジュアルなアイテムに交わらせたり、控えめな装いに組み込んだりすることによって、雰囲気が劇的に変わるので、秋冬の着回しを応援してくれるはずです。

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それではカールさんが応じてくださった貴重なインタビューの一問一答をご紹介しましょう。とてもフランクに応じてくださったので、ブランドの持ち味や製法をデザイナー自らの言葉で知ることができるまたとない機会となりました。

Q レザーは時を経るごとに風合いを増すエイジングの過程を楽しむものです。「KARL DONOGHUE」ならではのエイジングの楽しみ方はどういったものでしょう?

A 質の良いレザーは時を追うごとに柔らかくなり、そして風合いが増してきます。その進化には必ずお客様ご自身の物語が連なってより輝きを放つと思います。もちろん、真新しい状態の商品は完璧できれいですが、それ以上にお客様ご自身のストーリーが重なり特別な一着になることでしょう。

Q レザーのアウターには重たいとか、黒っぽいというイメージがあります。「KARL DONOGHUE」のレザーアウターはそうではないといわれますが、どこが違うのでしょうか?

A 「KARL DONOGHUE」ブランドはスペインとイタリアのタンナリー(=なめしメーカー)と深い関係を築き、開発を行っています。熟練の職人を有するこのタンナリーの協力があるからこそ新しいアイデアが生まれ、最高品質のシアリング、レザー、ファーなどをお届けすることができます。

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Q レザーブランドはそれぞれに革素材の加工方法を強みとしています。「KARL DONOGHUE」流の仕上げ方はどこに特徴があるのでしょうか?

A 毎シーズン、新しく特別なデザインや加工を取り入れています。2015年はカシミヤラムという、まるで雲のように柔らかなファーを開発し、2016年はそのファーにスチームを当てることでファーをピンカールさせています。また、スキン面には、テクスチャーが楽しめるような特別なエンボス加工と「リニアーダッシュ」というラインプリント、2種類の加工を新たに開発しました。

Q 英国はレザー文化の奥深さで有名です。英国のレザー文化の優れている点はどこでしょう?

A 英国にはまだまだ熟練の職人が数多くいます。英国のデザイナーはフランスやイタリア人のデザイナーとは全く異なった美学があるので、高品質の商品を形にするには職人たちの知識は必要不可欠です。

Q 「KARL DONOGHUE」のレザーアイテムは細部に至る作り込みで評価されています。こだわりのポイントはどういったところにあるのでしょうか?

A スキンの繊密な特性を把握した上でデザインすることが最も大切です。スキンには幾通りもの製法があり、それゆえ、それぞれの商品がユニークなものに仕上がります。「KARL DONOGHUE」では(ファー、スキン両面が美しく、使用可能な)最高品質のスキンを使用しているので、コレクションではリバーシブル仕様を重要視しています。また、パーツにも品質にこだわり、ボタン、バックル、ファスナーなどの多くは水牛の角を使用しています。

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この日のイベントを通してあらためて実感したのは、「お買い物はみんなで一緒にすると、さらに楽しい」ということ。欧米ではこうしたショッピングイベントが盛んなようですが、その魅力がよく分かりました。そして、デザイナーやスタイリストといったプロの助言がもらえると、一瞬でおしゃれの腕が上がるので、満足感が高くなります。ショッピングは単なる「購入」の作業ではなく、それ自体が心を弾ませるような体験だということを、この日のイベントに参加してくださったみなさんが共感していらっしゃったように感じました。

そのハッピーな気分を一段と盛り上げてくれたのは、「KARL DONOGHUE」の魅力と、デザイナーご本人の人柄でした。終わってしまうのが本当に惜しく思えた特別な時間は、この場を共有した全員に素敵な記憶を残してフィナーレを迎えました。「ガリャルダガランテ」ではこういったショッピングイベントをしばしば開催しているので、機会を見付けてぜひ参加してみることをおすすめします。おしゃれを愛する人たちと一緒に過ごせる体験はきっと忘れられない思い出になることでしょう。

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