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RIE MIYATA

2016-17秋冬トレンドはココに注目!急上昇ブランド「ELIN」は見逃せない

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

夏本番を迎えましたが、まだ暑いうちに済ませておきたいのが、秋冬シーズンのトレンドチェック。来季の方向感を頭に入れておくと、夏の間から一足早く気分を先取りできます。今回、秋冬トレンドの手がかりにするのは、「ガリャルダガランテ」で人気のブランド「ELIN(エリン)」。ファッション界で脚光を浴びるライジングスターブランドです。

オンラインショップ上ではELINの2016プレフォールコレクションの先行受注会がスタート。そして、いよいよ8月1日からはガリャルダガランテの表参道店とルミネ新宿店でお待ちかねのポップアップイベントが始まります。今回はELINの新作をガリャルダガランテのアイテムとミックスしながら、トレンドを先読みしていきましょう。

ELINの2016プレフォールコレクションのテーマは「Nouvelle cuisine(ヌーヴェル・キュイジーヌ)」。重たい風味のソースや手の込んだ調理法に象徴される、古典的なフランス料理の枠を越えて、新鮮な素材をシンプルに調理した新感覚のフレンチ料理のことです。昔ながらのルールにとらわれない、シェフの独創性を生かした味付けもフレンチに新風を吹き込ませました。ELINはこの感覚をファッションに取り入れ、サイズやジェンダーを超越し、それらを融合させた90年代服飾文化を再解釈しています。美しいフォルムやシンプルなスタイリングに、そのエッセンスが感じられます。

◆ELINが発信~「エクストラスリーブ」

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秋冬の最重要キーワードに浮上してきそうなのが「エクストラスリーブ」。聞き慣れない言葉ですが、言葉が示す通り、過剰なまでに長い袖のことです。指先まで隠すほどのオーバーサイズが意外感や朗らかさを連れてきます。モード界の新潮流として脚光を浴びていて、本格的に広まりそうなこの秋冬に“マストディテール”となりそう。目新しい袖の登場は久々とあって、賢くコーディネートに生かしたいところです。

ELINのニットトップスは単に袖丈を長くしたのではなく、全体のバランスをしっかり計算してデザインされています。タートルネック風に首にも量感を添えて、のどかな雰囲気をさらに濃くしました。首に短くスカーフを巻くスタイリングはヒットの兆しが見えています。くしゅっとたるませた袖とも相性がよいので、試したくなる小技です。パンツの場合、きちんとウエストインすることによって、袖のエクストラ感を際立たせることができます。

◆ELINが発信~「ランジェリーエッセンス」

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ELINは最新モードをリアルスタイリングに写し込んだ提案が魅力的な点でも支持されています。たとえば、シーンにとらわれないアレンジの新傾向として登場したのがランジェリーを街着としてまとう着こなし。本来は他人に見せないはずのランジェリーですが、いやらしくない見え具合でトップスやワンピースのようにまとうスタイリングが相次いで提案されています。ELINからもレースをあしらったワンピースや穏やかな着映えのキャミソールが登場しました。

膝丈のワンピースは裾にたっぷりとダークカラーのレースを配しています。素肌がレース模様の隙間からほんのり透け見えて、程よくアダルトなたたずまい。でも、胸から腰にかけては透けない生地で仕立ててあり、街中でも視線が気になりにくいつくり。切り替えが胸元と裾の両方に施してあるから、1枚で着てもドラマティックな着姿に仕上がります。一方、キャミソールはあえて「下着」っぽさを封じ込めて、エレガントな風情に整えました。エクストラスリーブのニットトップスの上からオンして、新鮮な印象を引き出しています。ランジェリー物をまとう際には、こういった雰囲気の異なるアイテムと引き合わせることによって、落ち着いた着姿を組み上げやすくなります。

さて、ここからは、ガリャルダガランテの新作アイテムに目を移しましょう。こちらもこの秋冬に迎えたくなる品々がたくさんありました。どれもしっかり新トレンドに目配りしているので、キーワード別に見ていくことにします。

◆ランジェリーライク

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先にELINでも触れたランジェリー気分を宿したウエアはこの秋冬にクローズアップされそうだから、ガリャルダガランテのオリジナルラインでも提案しています。大人っぽさを帯びたレースキャミソールはセクシーすぎないので、着丈が長めのカーディガンを羽織って、リラクシングな重ね着が楽しめそう。地厚ではない分、夏の終わりから着ることができます。繊細な風合いのレースアイテムは、あえてマニッシュなボトムスと組み合わせて、ニュアンスを深くして。ワイドパンツやたっぷり幅ジーンズとのミックスコーデがこなれ感を生みます。見慣れたパンツルックを抜け出し、フェミニンなムードを寄り添わせるのがランジェリーライクなトップスとの新マリアージュです。

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ランジェリーから着想を得ているとは言っても、それはうっすらとイメージだけを拝借するようなアプローチ。薄さや透け感といった、ランジェリーの特質を写し込んで、やわらかい表情を持つウエアに仕上げています。こちらのチュールスカートは光沢感を帯びたタフタ生地の上から、適度なハリのあるチュールを重ね、やさしげな立体感を引き出しました。割と長めにチュールをあしらって、動きの豊かなレイヤードに見せています。膝から下の透ける部分では、すっきりとした肌見せが涼やかな印象を強めています。

◆アシンメトリー

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左右や前後でわざと不ぞろい感を出す「アシンメトリー」もこの秋冬の見逃せないトレンドです。サマーウールとレーヨンで編んだドライタッチな肌触りのスリーブレストップスは夏から秋にかけて長く着られるウエアです。脇に入った編み柄のラインがアクセントになっています。控えめな透け感のあるニットです。実は初秋はまだかなり温度が高いので、こういうコンパクトなトップスは重宝します。手洗いできるから、汗ばむ時期もしっかり着られます。ラップパンツは生地が光沢を帯びていて、上品な風情。深みのあるグリーンが秋らしい。フロントに巻きスカート風のディテールが施されていて、ありきたりのパンツっぽくは見えません。左右が均等なガウチョやキュロットよりも、ずっとフェミニンにはきこなせそうです。

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ハーフスリーブのカットソーは季節の変わり目にコーデを助けてくれます。こちらのタイプは一見、シンプルなように見えて、実はディテールに凝ったデザイン。たとえば、裾のラインはサイドで曲線を描いていて、自然と波打つよう。シルエットはTシャツ風ですが、上質な生地のおかげで、ラフになりすぎず、大人っぽくまとえます。のどかなネックラインはしんなりした落ち感を印象づけています。合わせたラップパンツもポルトガル製のインポート生地を使用。一見、スカートにも見えるシルエットもユニーク。絶妙の丈感が生きて脚がほっそり映る効果も。襟ぐりのゆったりしたトップスで合わせると、ヌケ感の漂う着姿に仕上がります。

◆ジェンダーニュートラル

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性別(ジェンダー)にとらわれない着こなしが勢いづいています。こちらは「シャツを前後で逆に着たら」という発想から企画した、ややトリッキーなプルオーバー・トップスです。正面からはノーブルでくつろいだトップスに見えますが、背中側からはきちんと襟とボタンのついたシャツに見える仕掛け。前後で全く異なる着映えに仕上がる、ウィットフルなデザインです。まだまだ暑い日が続きますが、1枚でさらりと着ても劇的な演出が着る人に自信をもたらします。

襟の開き具合、抜き加減が伸びやかな印象を醸し出しています。デコルテを上品に開けているうえ、襟自体に立体感があるから、顔周りがシャープに見えます。腰周りに深めのタックを入れたワイドデニムは、コンパクトなトップスをウエストインして、きれいめのすっきりシルエットに。秋色のグリーンやボルドーのトップスにもなじみます。

 

腰周りにタックを入れたパンツはマニッシュな雰囲気がありますが、今のスタイリングは男っぽく寄せないで、性別ニュートラル(中立的)な立ち位置を意識して。フェイクスエード仕立てのブラウスは前身頃と袖がフェイクスエードで、後ろ身頃はジョーゼットが配してあり、1着でジェンダーミックスの表情。しかも袖にフリルのような量感があるので、自然なやさしげ感を帯びています。

パンツにはストレッチの利いた生地を使っているから、楽ちんな着心地。世界の有力ブランドも使用している生地だけに、しっかりとしたはき心地があります。トップスとの組み合わせ次第で、互いの持ち味を引き出せるベーシックなパンツは着回しバリエーションを広げてくれそう。甘すぎないトップスで合わせて、ジェンダーレスな装いに整えやすいのもいいところです。

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質感は着姿のムードを左右する大切な要素です。上質なコットン裏毛を使用したミニマルなカットソーは程よくアシンメトリーに仕立ててあって、1枚で着たくなります。アスレティック気分のスウットシャツで見慣れたカジュアル顔の裏毛とは異なり、エレガントな風情の裏毛はそれ自体が意外感たっぷり。実は別注で調達したレア生地です。トップスにリッチ感があるから、ダークカラーのタックパンツが格上感を際立たせる絶好の「脇役」に。特別感のあるトップスと、ユーティリティーなパンツの好コンビネーションです。

◆ロング&リーン

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細く長いシルエットは今度の秋冬にもトレンドパワーが落ちません。コットンシルクのリブ編みワンピースはリブのおかげでボディーラインがきれいに映ります。レディーライクな風情が素敵ですが、そこにあえてデニムシャツを羽織ったり腰巻きにしたりと、別ムードを重ねるのが上手なスタイリング。襟ぐりが女性らしいのに加え、スリットが深めに入っているので、たおやかな印象に。穏やかな質感のおかげで、節度も感じさせる、大人向きの仕上がりです。

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たっぷりしたボリュームのパンツは縦長の「ロング&リーン」に整えやすいボトムスです。スカートのボックスプリーツを連想させるような深いタックがさらに視線を縦方向に引き込みます。スリーブレスのブラウスはすがすがしいムード。ワイドパンツとのセットアップを組み立てれば、一段とすっきりしたイメージが強まります。ブラウスは手洗いできるので、まだ残暑が続く時期でも安心です。

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着丈の長いアウターはレイヤードに組み込むと、縦長イメージを増幅する効果が期待できます。こちらのガウンは割と薄手の仕立てだから、重たさをオフ。むしろブラウスの前を開けて羽織るような感覚でまとえます。風をはらんでエアリーな雰囲気を呼び込むライトな着こなしを楽しんで。無造作に垂らしてもいいですし、ウエストで紐を締めてチュニック風に着こなすと、シルエットに起伏が出せます。プレーンな見栄えのカットソーやジーンズの上からかぶせるだけで、格上の着姿に整えられます。

今度の秋冬はおしゃれの風向きがこれまで以上に大きく変わる節目となりそうだから、早めの秋支度が賢い選択。大人っぽい遊び心を宿したELINやガリャルダガランテの提案を参考にしてみてくださいね。

ELIN POPUP EVENT 8月1日~
表参道店/ルミネ新宿店
ELIN WEB先行先行受注会も開催中
詳細は下記で紹介
http://zozo.jp/search/?p_tpcsid=240217

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「ELIN(エリン)」ディレクター インタビュー
 http://www.gallardagalante.com/?p=3777

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