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RIE MIYATA

普段使いもしやすい、大人のフォーマルウエア「PEELSLOWLY(ピールスローリー)」 着回し選択肢が豊富

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こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

2018年に入って最初のセレンディピティ(serendipity=ガリャルダガランテ ルミネ新宿店の特設ブース)」は、YOUさんがディレクターを務めているブランド「PEELSLOWLY(ピールスローリー)」をご案内しています。今回はこちらのポップアップショップ(期間限定店舗)をご紹介します。

「大人かわいい」系着こなしの達人とされ、おしゃれアイコンとして広く支持を集めるYOUさん。このブランドでは、デイリーにも使いやすい、リアルで現代的なフォーマルウエアを提案しています。isaku akutsuさんの生み出すデザインは、シンプルな形の中にも、程よい遊び心が感じられるから、自分好みに着こなせます。

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フォーマルな場面に似合う、ベーシックで端正なアイテムはなかなか見つけにくいところがあります。おしゃれが好きで、服をたくさん持っている人でも、ちゃんとしたフォーマルウエアがワードローブにない人も珍しくないようです。

いざ必要になったときに慌てて買おうとしても、どこで買ったらいいのか、悩んでしまいます。フォーマル服売り場があるショップでも、いかにも冠婚葬祭っぽいタイプには「出番が少なそう」と、ためらってしまいがち。だから、「フォーマル難民」は意外に多いようです。

きれいなタイトフォルムのワンピースは誰からも受けがよいもの。すっきりしたシルエットなのに、素っ気なく見えないのは、巧みなモチーフ使いのおかげ。あちこちに切り替えが施してあるから、着姿がさらにほっそり映ります。

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ノーカラー(襟なし)ジャケットと膝丈スカートのセットアップは節度を感じさせてくれます。ジャケットのシルエットがかっちりとしすぎていないから、やさしげな着映えに仕上がります。オフィシャルな場面にふさわしいきちんと感がありつつも、ノーカラーならではの気張らない風情がこなれたムードに導きます。

フォーマルなシーン以外でも、シャツやブラウスと組み合わせて、普段使いがしやすいジャケット。着丈がコンパクトな分、ボリューミーなボトムスと引き合わせて、立体的な着こなしも組み立てられます。パンツともマッチングも試せます。

スカートは高い位置にギャザーをあしらってあるので、エレガントな表情を醸し出しています。程よくタイトな形はレッグラインをすっきり見せてくれます。フォーマルウエアは無愛想になりがちですが、ほんのりとドレープを帯びたスカートは単品使いでも上品に映ります。

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本来はメンズ物のタキシードジャケットもウイメンズに置き換えると、かえってクールな着映えに。セレモニー感の高いウエアですが、あえてカジュアルなパンツに合わせるような、意外感の高いコーディネートで普段使いを試せます。袖を通さないでさらりと肩掛けすれば、こなれ感が出ます。

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フォーマルウエアにはダークカラーの単色が多かったのですが、PEELSLOWLYは違います。こちらはオリジナルのフラワー柄を全体にプリントした、あでやかなセットアップ。黒系のベースカラーだから、フォーマルシーンにもなじみます。

ボウタイ・ブラウスは、単品で使っても、クラシカルな風情。大ぶりの花柄はフレアスカートを華やがせます。同じ柄のセットアップでまとえば、優美さが際立ちますが、黒のボウタイ・ブラウスと合わせれば、花柄が引き立ちます。スカート単体でも出番が多くなりそうです。

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PEELSLOWLYのワンピースには、表と裏で全くムードの異なるリバーシブルのタイプがたくさん用意されています。こちらはドラマティックな花柄が印象的なグラマラス顔のワンピース。ノースリーブのシンプルなシルエットに、ビッグモチーフがゴージャス感を添えています。

一方、ひっくり返した裏側は黒無地のフォーマル向き。ウエストの切り替えや、ほんのりドレープの起伏が無地を単調に見せていません。冠婚葬祭、入学式などにもしっかり対応できるシックさです。

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リバーシブルの魅力は、1着で2倍の着回しが利くところにあります。表と裏の見栄えが大きく異なっているほど、着こなしバリエーションが広がります。幾何学的な画風で知られる現代画家、ピエト・モンドリアンを思わせるモチーフがきれいなワンピース。端正なシルエットがカラーパターンを印象づけています。色数を抑えたトリコロール(3色使い)は落ち着いた着映えに整えてくれます。

リバーシブルの裏面はワントーンのフォーマル仕様。着こなしをダイナミックに変えられます。ワントーンであっても、無愛想ではないから、アクセサリーやベルトなどの小物使いで、華やぎを加えるアレンジも楽しめます。ボレロ丈の薄手の羽織り物を重ねれば、ノースリーブで気になりがちな腕露出も抑えられます。

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両腕の素肌が見えるノースリーブは、時に周囲の視線を感じてしまいます。PEELSLOWLYは上から羽織って腕の露出をカバーしてくれるボレロ風ジャケットも提案しているから、ノースリーブの着こなしを安心して楽しめます。

たとえば、黒のボウタイ付きボレロ風ジャケットは、静かにレディー感を添えてくれるので、手持ちウエアのパートナーに起用したくなります。これが1枚あるだけで、手持ちウエアのアレンジパターンがぐっと広がりそう。

シャツとボレロ、ショールが融け合ったかのようなタイプは、普段着っぽいウエアとのマリアージュを試したくなります。もちろん、本来のあらたまった場所でも収まり具合も申し分がないので、オールマイティーに操れます。

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最近のおしゃれトレンドで注目を浴びているのは、布やベルトを結んだり垂らしたりする小技です。結び目(ノット)をアクセントにしたり、垂らしたひもで縦落ち感を演出したり。羽織って前を見住んだり、垂らしたり。PEELSLOWLYの羽織り物にもこのようなアレンジの余地が用意されています。

左右の前身頃を結んでリボン状にすると、正面にアイキャッチーでエレガントなポイントができます。裾を長く垂らせば、伸びやかな印象が生まれるのに加え、縦長イメージを引き出せます。1着でいくつものムードにスイッチできるのは、出番の多さにつながります。フォーマルウエアだからセレモニーにしか使えないというのは、何とももったいない話ですが、PEELSLOWLYならそうはなりません。

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小物を上手に使うと、さらに着回しの選択肢が増えます。たとえば、ベルトを上から巻くだけでも、ムードが変わります。羽織り物の前をわざと閉めないで、さらりと羽織った状態で、ベルトで締めれば、内側に着たワンピースもしっかりのぞいて、きれいなレイヤードに仕上がります。ベルトで締めてあるので、ウエストの細感が際立ちます。ベルトの雰囲気次第で装い全体のムードも操れます。背中側はボレロ風で、ノーブルなたたずまい。ボレロの裾が自然に波打って、クラシカルな風情を醸し出してくれます。

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ボレロ部分を取り外して、1枚で着ると、チュールの透け感がたおやかなドレスに早変わり。たっぷりと配したプリーツが丸みのある女性らしいシルエットを演出。タイトなワンピースの上にチュールが重なっているので、ボディーラインを拾いすぎず、体型も気にならないという、カバー力の高いドレスです。ほのかに透けるチュールが華やかさを寄り添わせるから、パーティーシーンにもフォーマルシーンにも着て行ける、出番を選ばない一着です。

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アクセサリー類が充実しているのも、PEELSLOWLYの魅力です。ウエアは扱いやすいシンプル寄りのデザインが多いのですが、アクセサリーは少しエッジが効いています。ベーシックな着映えのウエアと組み合わせると、お互いを引き立て合う関係に。フォーマルウエアを別のムードでまとうアレンジにも役立ちます。

メタリックな板を、雲や水滴のような、角のない形に切り出したプレートネックレスは目を惹くフォルム。胸元で程よく主張してくれるので、シンプルなコーディネートにウィットやファニー感をもたらします。太めのチェーンはパンキッシュな気分を宿していて、フォーマルからのイメージチェンジにうってつけ。十分な存在感があるから、パーティーシーンにもなじみそうです。

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バッグはガリャルダガランテでも人気の「LUYLON(ルイロン)」と組んだ別注品になります。丸いフォルムは現代アートのオブジェ作品のよう。小ぶりのクラッチバッグが主流のフォーマル系バッグとは一線を画しています。パーティーのお供にふさわしいだけではなく、あえてカジュアルな普段着ジーンズに合わせたくなります。バッグのなかには、ポーチに加え、御祝儀袋が収められているという気の利きようです。

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コレクションを年に4回発表しているPEELSLOWLYは2018年春夏シーズンで通算9回目のコレクションとなりました。回数を重ねるたびに表現が深みを増していて、18年春夏は正面のファスナー使いがダイナミックなこちらのようにチャレンジングなデザインもお目見えしました。

ブラウスとスカートのセットアップに見えますが、実は1枚のワンピースです。フロント部分のジップを開くと、内側からフラワーモチーフがのぞいて、フェミニンで華やかなムードに。ジップを閉じれば、単色でミニマルなワンピースにスイッチ。ノスタルジックな雰囲気を帯びた、オーソドックスなフォルムに、大胆なファスナー使いを組み合わせたミックス感覚が絶妙です。

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革新的なデザインのフォーマルウエアを相次いで提案しています。こちらのドレスワンピースは、Vネック部分が透ける襟元、つややかな袖先と、複雑な素材感が着姿に奥行きを与えています。

2Way仕様のシフォンボレロの身頃部分は前で結んでもよし、ふんわり羽織ってもよし。見た目の印象をマルチに操れます。リボンは正面で結んだり、背中側で結んだりといったアレンジも自在。ボレロをオフして、すっきりしたワンピースとしてまとう選択肢もあって、何通りの着方ができるか、実験気分でレパートリーを増やせます。

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こちらもディテールとアイデが優れたワンピースです。一見すると、黒のシンプルなボウタイ付きロングスリーブドレスのよう。ところが、袖口にはたくさんのボタンが縫い付けられていて、ボタンをいっぱい開けると、まるでケープのようなフォルムに早変わり。

それに加え、首元を開けるとオフショルダーの着映えに変身。フォーマルの枠組みを超えた、ユーティリティー(万能)仕様のドレスです。共布のベルトを締めると、大人っぽい着映えに。同じワンピースとは思えないほど、印象がドラマティックに変わるから、鏡の前でのスタイリングが楽しみになってきます。

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上下で素材を変えたドレスはスカート部分の織り模様がレトロな華やかさを醸し出します。色のコントラストも効いています。これまでにご紹介した以外にも、左右・前後でアシンメトリー(非対称)なデザインのように、何種類にも着回せそうなドレスのバリエーションが豊富。

同時に、肌を見せすぎたくないと願う、多くの日本人女性が好みそうな、納得感の高いドレスがそろっています。シーンを選ばない着こなし方が提案されているので、デイリー使いにそそられます。

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PEELSLOWLYのワンピースは、ウエスト位置での切り替えを、割と高めのポジションに施してあるおかげで、身長に関係なく、シャープな着姿に整えやすいのだそうです。体型を選ばない点でも心強い見方になってくれるはず。国内生産にこだわった丁寧な縫製が生きて、丁寧な造りはきれいな輪郭を描き出してくれます。

フォーマルウエアはジャンルとしては以前から存在していますが、現代女性のおしゃれマインドに寄り添うアイテムはありそうでいながら、なかなか見付けにくいもの。

PEELSLOWLYのアイテムは穏やかな質感の生地が多く、旅先でしわになりにくい点に定評があります。旅行バッグに畳んでしまえるので、出張・旅行のお供に選べば、急なディナーにも慌てずに済みます。

時を経てもすたれない、いわゆる「タイムレス」なデザインを得意としている点でも、安心してまとえて、自在の着回しが組み立てられます。今回のセレンディピティではたくさんの新作をチェックできる貴重な機会となっています。

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