THE UPDATE HIGH QUALITY LINE INTRODUCE FREE PAPER

素材から縫製までこだわりがたくさん詰まった、ガリャルダガランテのモノ作りを伝える連載の第四弾。 「長く愛せるワードローブの定番に」との想いを込めて完成したアイテムを交え、その背景をご紹介してゆきます。

Vol.6 「春のリネンコート」ベーシックから一歩先へ 着こなしを変える春のリネンコート

     
  

凝った作りの生地、実はあのブランドなのです

春らしい素材といえば、やっぱりリネン。シャリッとした手触りや独特の風合いは、上品でほどよく抜け感もあるのが魅力です。そんなリネンで作ったコートは、定番アウターよりも、ほんの少し個性が前に出るデザイン。オーバー気味に着こなせるサイズ感にして、フロントはダブル。そして、ボタンではなくメタルの留め具をあしらいました。さて、このリネン、作り手は『ファリエロ・サルティ』。ストールで絶大な支持を集めるブランドであり、テキスタイル界の名手として60年もの歴史を持つ老舗でもあります。「服の醸し出す雰囲気は素材次第」。その言葉に納得できるエレガントな一着です。


リネンコート¥78,000(+TAX)

     




左:肩はゆったりと取ってあり、着てみるとエフォートレスな印象。リラックスして着こなせて、ほどよく風が通るのも気持ちがいい。あたたかい季節を思う存分味わえる仕立てです。

右:生地そのものが醸し出すエレガントなムードに合わせて、メタルの留め具をオン。軽さのあるリネンの素材感に、キラリと光るメタルが、美しいコントラストを与えます。

MEMBER
  • デニムやミリタリーアイテムなどカジュアルラインをメインで担当。
    リアリティとモードを両立させたアイテムバランスがデザインの魅力。

今年らしさが感じられるおしゃれを楽しむコートです
皆さんが『ファリエロ・サルティ』と耳にしたら、きっとストールを思い浮かべるのではないでしょうか? 大判で風合いがとても繊細な、あの巻くだけでおしゃれ度がアップするストール。『ガリャルダガランテ』でも、とても人気の高い商品です。今回は、この『ファリエロ・サルティ』社の生地が主役です。この生地に出会って、シルエットはあんなふうにしたい、ディテールはこんなふうにしたい…とアイデアが広がっていきました。

  • トラッドなエッセンスのあるアイテムが得意。
    素材やパターンへのこだわりも強く、シンプルなアイテムでも上品な雰囲気を感じさせるデザインをつくりあげる。
  • 趣味は登山というアクティブさと裏腹に、刺繍やレースなど、手仕事を感じさせる繊細なクリエイションが得意。
High quality. There are background of...
  • 頑固にこだわりを守り続ける職人肌のテキスタイルメーカー
  • 創業者ファリエロ・サルティ氏の名を冠し、1949年、トスカーナ地方のプラトーに『ファリエロ・サルティ』社は誕生しました。当初から原料選びにはとても厳格で、最高ランクだけを採用するというのがお決まり。時代は流れ、息子のロベルト氏が引き継いだ現在も、そのこだわりは健在です。そんな職人気質でもって生み出されるテキスタイルは、服という形になった時に、素材の良しあしが出ることをよく知っている一流デザイナーたちに、厚く支持されています。
新しい試みに積極的生地産業がさかんな街、プラトー
  • トスカーナ地方の北西部に位置するプラトーは、イタリア有数の織物産地。産業の歴史は長く、起源は11~12世紀にまで遡ります。素材はウールからスタートし、主に天然のものを扱ってきました。伝統的な手法を大切にしながらも、新しい流れにとても敏感。トレンドに即した生地の開発にも積極的に取り組み、大きな成長を遂げました。そういった土地柄に支えられて、生地のバリエーションも拡大していったのです。
ユニークな仕上げ、面白いフィニッシュ天然素材に凝ったヒネりを加えて
  • 『ファリエロ・サルティ』社のラインアップには、独特の風合いを持つ生地がたくさん。素材のありのままの魅力を引き立てるだけにとどまらず、新鮮なニュアンスもプラスするというのが、どうやらお得意のようです。今回のコートの生地も、実はそのうちのひとつ。見た目や手触り、落ち感の美しさはリネンそのものですが、ほんのりストレッチ入りなんです。手に取った時や着てみた時のさりげない驚きが、おしゃれ心をくすぐります。
エレガントな生地の持ち味を存分に生かしたデザインに
  • 今回のコート作りは素材ありき。シルエットやディテールは、リネン生地の薄手できめが細かく上品な風合いに合わせて考えられています。「ベースはマニッシュなチェスターコートなのですが、女らしい雰囲気に仕上げました。それに合わせて、裏地もコットンミックスだけど光沢感のある生地を選んでいます」と島村さん。リネンだけどナチュラルな着こなしにならず、あくまでエレガントに決まるのが魅力。また、上質素材だけど、さりげなくカジュアルにも着こなせるバランスにしてあるのも、見逃せないポイントです。

CLOSE