第3回目のテーマは、Tシャツ。着心地が良くて何枚あっても欲しくなる一方、サイズ感やカッティングのほんの少しの違いで、見え方が変わってくる奥深いアイテムです。中には大人になるにつれて縁遠くなってしまったという人もいるのではないでしょうか。そこで、上品なカジュアルスタイルに定評のあるスタイリスト、高杉しのぶさんに大人の女性に似合うTシャツのお話を伺いました。そもそも、高杉さんにとってTシャツとは？「合わせやすくて着ていてラクという優れものですね。夏はもう本当に手放せません。私自身のルーツにあるカジュアルスタイルはもちろん、仕事で手掛けるさまざまなテイストのコーディネートを見渡しても、Tシャツの守備範囲はかなり広い。『シンプルすぎるのでは？』とか、『カジュアルで似合わない気がする』なんて声も聞こえてきそうですが、そこはズバリ着こなし方次第。きっと上手に着こなせるはずです」。

選ぶ時にいちばんポイントになるのは、サイズ感。コーディネートするアイテム次第で、マッチするものが違ってくるとか。「好みもあると思いますが、例えばボトムスが細身のパンツなら、オーバーサイズ気味のTシャツをフロントだけパンツにタックインして。ふわっとしたフレアスカートだったら、コンパクトなTシャツで上下のボリュームバランスにメリハリをつけて……。試着をしてネックの開きや肩のライン、丈感などを細かく吟味してみてください。あとは、素材の風合いや落ち感、プリントのインパクト、色味などもチェックしておきたいですね」。シンプルなアイテムだけに、ややもすれば貧相に見えてしまったり、部屋着っぽくなってしまったり。そういった危険を上手に回避しておしゃれ度をアップするためには、小物を大胆に取り入れるのがおすすめだそう。

「帽子やサングラス、ジュエリーなどが、華やかで大人っぽく着こなすためには必須。特にサングラスは掛けてもいいし首元に引っかけてもカッコいいキラーアイテム。私もレイバンのものを愛用しています。今ならバンダナやスカーフも着こなしの感度をアップしてくれそうですし、ネイルをカラフルにするのもアクセントになります。そうやって小物で普段よりも“盛って”あげたら、タックインする分量を変えてみたり、袖口をロールアップしてみたりと微調整するんです。そうすると着こなしがよりサマになってきます」。普段からヘビロテしているのは、渋めの色で数枚揃えているメンズの無地Tシャツや、ゆったりめのボーダーTなど。加えて、今年また新たに惹かれているデザインも。「ヴィンテージのロゴTも、太めのデニムと合わせたりすると素敵だなって思っているところです。あとはクロップド丈。旬のムードが味わえていいですよね。足元はビーチサンダルなら服装を少しシックにシフトして。それとは対照的に、カジュアルな服にはエッジの効いたデザインの靴を。……というように、チェックポイントをいろいろと挙げてみましたが、まずはお気に入りを見つけるのが先決。インスピレーションを刺激する一枚を、ぜひ探してみてください」。