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RIE MIYATA

2014春夏トレンド「エフォートレスやスポーツリュクス」を押さえる

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

2014年春夏シーズンも様々な新トレンドが登場する気配ですが、
その中でも支持を集めそうな有力株が「エフォートレス」。
肩の力が抜けた、気張りすぎないリラクシングなテイストです。
ただのルーズや手抜きとは違って、エレガントなムードが大切です。
また、やさしい着心地と上品なリッチ感を兼ね備えた「スポーツリュクス」や
「エアリーノーブル」も新しい着こなしのキーテイスト。ホワイト×ブラックや
グレーなどの控えめトーンを軸にしながら、地味に見えない
カラーハンドリングなど、この春夏注目キーワードをピックアップしました。

◆エフォートレス

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左から、Steven Alan、Catherine Malandrino、Adeam、Steven Alan 2014春夏NYコレクション (c)Rie Miyata

力みを遠ざけながらも、だらしなく見えないという穏やかニュアンスの
着こなしが「エフォートレス」の持ち味。どこか都会的な洗練が宿っているのも、
スタイルのポイントです。ジャケットのセットアップも共布でウエストを
ゆるく結わえたショートパンツでヌケ感を漂わせたり、シャツをジャケットの
袖先から軽く折り返しているのも、カッチリ決めてしまわない小技。
チュニック風のプルオーバーはゆったりフォルムがのどかな雰囲気。

薄手のワンピースはエフォートレスを象徴するアイコン的なウエア。
すがすがしく肩や腕を露出するスリーブレスの形がクリーンな印象を
引き立たせています。揺れ遊ぶ裾が軽やかなムードを呼び込んでくれそう。
爪先と両サイドをカットオフしたシューズも涼やかな顔つき。
ゆるい編み目から風が吹き込むサマーニットもこのトレンドになじみます。
袖をひじ辺りまでたくし上げると、素肌感が出てこなれた着姿に。
ショートパンツは風通しよさげで清潔感を寄り添わせてくれます。

◆スポーツリュクス

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左から、Catherine Malandrino、Candela、Candela、Candela 2014春夏NYコレクション (c)Rie Miyata

アスレティックなフォルムを持ちつつ、カジュアルに寄せず、むしろ上品に
整える「スポーツリュクス」。先に挙げたエフォートレスとも通じるところの多い
新テイストです。スポーティな装いはストリートっぽくまとまりやすいのですが、
それを避けて、リゾート地やプールサイドでの昼下がりのようなたたずまいに
仕上げるのが、今季の流儀。身頃や袖に何本もジップを走らせたトップスが
アクティブな表情。パンツと色をそろえればスタイリッシュな出で立ちに。
編み目越しに肌が透けるサマーニットはやさしい肌当たりが気持ちまでほどきます。パンツはベルトで締めず、ドローストリングスでゆるく結んで端を垂らして。

ショートトップスは今季もオントレンド。上品な腹見せで健やかなセクシーを
薫らせています。正面の着丈が背中側よりも短い前上がりのトップスは
きれいにお腹を露出できます。プルオーバーのスウェットはスポーツアイテムの
代表格ですが、袖にレースをあしらって身頃とムードを変えているので、
ドレッシーな見栄えに。総レースのスカートもナチュラルな空気感が目に残ります。
ボーダー柄のカットソーはボーイッシュなアイテムですが、裾にフラワーレースを
あしらったフェミニンなスカートで合わせて、ムードを変えています。

◆エアリーノーブル

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左から、Catherine Malandrino、Adeam、Clover Canyon、Clover Canyon 2014春夏NYコレクション (c)Rie Miyata

レースや穴開きディテールをふんだんにあしらったエアリーな装いは、
ノーブルとセンシュアル(官能的)を両立させてくれます。シフォンや
チュール、ジョーゼットなどの透ける素材を使ったワンピースやスカートは
この春夏も涼やかな着こなしのキーアイテム。ブラウスとスカートで
別々のレースを配した風通しのよいコーデは、やさしい着姿に導きます。
ほのかなシースルーでフェミニン度もアップ。裾や袖だけを薄手生地で
透けさせる演出は、装いから重さをオフ。きちんと感と肌見せを
組み合わせたスタイリングが今季らしい空気感を引き寄せます。

エアリー感を引き出す新たなアレンジが、透ける素材を重層的に重ねるテクニック。
薄手生地を上からかぶせてうっすらと透けさせるサマーレイヤードは
羽衣のようにミステリアス。無地ショートパンツの上から柄物シースルー布を
重ねる工夫で、装いの立体感が高まります。さっぱりしがちな春夏ルックですが、
透ける服を取り入れると、見た目に奥行きが出て、着姿に深みが生まれます。

◆ホワイト×ブラック、グレー

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左から、Steven Alan、Candela、Clover Canyon、Adeam 2014春夏NYコレクション (c)Rie Miyata

白×黒のストイックなカラーミックスは今季も勢いが続きます。
ただし、新シーズンの主役は「白」のほう。オールホワイトの装いに黒を
差し色のような感じで添えて、白のクリーンでノーブルな表情を深くする
という色合わせです。ジャケットとパンツのセットアップでも、トップスだけを
黒にすると、互いに引き立て合う効果が働いて、シャープな見え方に。
ワンピースも黒と白をアシンメトリーに配すると、ダイナミックな動きが出ます。

白にグレー系で合わせると、落ち着いた風情に整います。
今季は何の形かはっきりしないような抽象的でグラフィカルなモチーフが
脚光を浴びる予感。これまでよりも大ぶりの柄で服全体を彩るビッグプリントが
提案されています。大きい柄は色が強いと目立ちすぎるものですが、
黒やグレー系であれば、主張しすぎない見え加減に収まります。
全身にアートをまとうつもりで着ると、上手に着こなせそうです。
ボックスプリーツのようなスクールガール的ディテールも今季の新顔。
モノトーンと組み合わせれば、品良くまとめやすくなります。

「エフォートレス」や「スポーツリュクス」など、今季の新トレンドはどれも
堅苦しさが薄いので、手持ちアイテムとニューカマーを組み合わせて、
自分らしくアレンジしやすそう。「ガリャルダガランテ」では春物の立ち上がりから
新トレンドをしっかり押さえたラインアップが用意されています。
気になるキーワードを試して、お好みのスタイリングになじませてみてはいかが。

 

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