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RIE MIYATA

カスタマイズ自在の魅力 注目ブランド「NEHERA(ネヘラ)」に迫る

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こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。

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「ガリャルダガランテ ルミネ新宿店」の特設ブース「セレンディピティ(serendipity」では4月末まで、パリでコレクションを発表しているウィメンズブランド「NEHERA (ネヘラ) 」にフォーカスしています。今回のポップアップショップ(期間限定店舗)に合わせて、「ネヘラ」の魅力をご案内したいと思います。

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「ネヘラ」の作風はしばしば「構築的」と表現されますが、この言葉はやや誤解を含んでいます。「構築的」と聞くと、建築物のようなカッチリしたフォルムを想像しやすいのですが、実際の「ネヘラ」はもっとしなやかで、気取りを感じさせません。建築というよりは、優美な動く彫刻といったほうが近いイメージです。

歴史の長いブランドです。ヤン・ネヘラ(Jan Nehera)氏が1930年代に旧チェコスロバキア(現在はチェコとスロバキアに分離)で創設されました。2014年に再ローンチし、新たなファンを獲得しています。発表の場をパリに移しましたが、チェコとスロバキアにあるテーラースタジオや工場で育まれたブランドDNAを遺産として引き継いでいます。

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2018年春夏のプレ・コレクションは、これまで以上にダイナミックで流麗な動きが盛り込まれています。前後や左右でアシンメトリー(不ぞろい)な落ち感の演出。起伏に富んだ布のダンス。まるで「動く彫刻」といった感じのアレンジが装いにリズムと生命感を備わらせています。

新コレクションのムードを象徴する、イエローのワンピースは大胆なワンショルダーの仕立て。内側にブラウスを着るサマーレイヤードで、きちんと感とデザイン性を同居させられます。ジューシーなイエローとクリーンな白が調和して、さわやかなコンビネーションに仕上がっています。

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ミリタリーやワークウエアの雰囲気が持ち込まれているのは、今コレクションの目立った変化です。縦長感が目を惹くワンピースはほのかにエプロンライクなシルエット。無造作っぽくロープで吊ったのも、ユーティリティー(実用)の風情。色とビッグポケットにはミリタリー風味が漂います。カットソーやシャツとの重ね着が楽しめる造りになっています。

ロープの吊り方を変えれば、デコルテあたりの見え具合を自在に変えられます。吊る高さを変えて、肩の露出と裾のレングスでも複数のバリエーションを楽しめます。

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実はシャツ、ブラウスが得意なブランドです。一般的にはどれも似たようなデザインと思われがちなアイテムですが、「ネヘラ」は細部が違います。たとえば、こちらのモデルは背中側にたくさんのプリーツがあしらわれていて、背後からの視線をしっかり受け止めてくれます。プリーツがあると、布とボディーの間に程よい空間が生まれるので、1枚で涼しく過ごせます。

シャツ裾が遊ばないよう、縁に絞り加工を施してあるのも、うれしい一工夫です。ウエストアウトして着ても、風にあおられて裾がばたつきません。シェイプも引き締まって映ります。ブルゾン風にも着こなせるから、スタイリングの選択肢が広がります。

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「ネヘラ」のクリエーションを語るうえで、忘れてはならない言葉に「トランフォーム(変形)」があります。見慣れた服に解体や読み換えを試み、別のイメージをまとわせる手法です。シャツやブラウスにウエストリボンを添えて、マルチウェイ(多彩な着回しパターン)のアイテムに進化させました。

ウエストリボンを正面で結べば、エレガントなトップスに。裾をウエストアウトすれば、チュニック風になり、ムードが様変わり。この場合、ウエストリボンは後ろに回して背中側にも華やぎをプラス。正面はカシュクールのような布の表情が生まれ、まるで別のアイテムと見えるほど。リボンを結ばすに、垂らして遊ばせれば、リラクシングなたたずまいに整えられます。

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さらに踏み込んだ解体技も投入されています。こちらのシャツは正面から見ると、真ん中位置のポケットが目立ちます。両袖にもポケットがあり、しかも着丈が長めです。でも、最大の仕掛けは背中にあります。

襟下のボタンをはずすと、背中身頃がばっくり開いて、フーディーのように垂れ下がってきます。大きな開口部からは内側が広く露出するので、Tシャツやタンクトップを見せるサマーレイヤードを組み立てられます。高発色のビビッドカラーを投入して、振り返り見を誘うという、プレイフルな着方も楽しそうです。

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アウターにはもっといろいろな仕掛けが盛り込まれました。普通は正面の打ち合わせボタンが縦に裾まで並ぶはずなのに、こちらのスプリングコートはウエストまでで留まっていて、そこからは横方向にボタンが配置されています。ちなみに襟はオフネックなので、春夏も暑苦しくありません。

この横並びボタンをはずすと、前身頃が真ん中から解放され、内側のボトムスが見えるという、ドラマティックなこしらえです。前身頃のボタンは留めたまま、サイドのボタンをはずして、パーツを泳がせるという使い方もできます。

もっと思い切って遊ぶなら、上半身のボタンも解放して、ガウンライクに羽織る手もあります。上半身だけを開けて、少しくだけた雰囲気に仕上げてもよさそう。ものすごく「引き出し」が多いから、着飽きる心配は要りません。

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ダークカラーのコートはほとんどオールシーズンで着られそうな着映えです。しかもこちらも面白いギミックがいっぱい仕込まれています。コートの欠点は「重たく見える」「内側の服が隠れてしまう」「見た目が退屈」などですが、そのほとんどすべてをひっくり返すのが今回の仕掛け。まず、背中の部分を膨らますことができて、雨よけになります。

さらに、半身を肩からはずしても、ずり落ちない工夫が施してあるから、「右側はコート姿、左側はノースリーブ」という、奇想のスタイリングが実現します。腕が隠れないので、春夏でも暑苦しく見えません。

まるでコートを脱ぎかけた途中のまま歩いているかのような見え具合になり、意外感は申し分ありません。さらに、両脇から腕を出せるので、両袖に腕を通さない状態で着られます。余った袖をそのまま垂らしてもいいし、前で結んでもファニーな印象に。着る人のアイデア次第で、何通りものアレンジが可能になるアウターは、ウィットフルな着姿に導いてくれます。

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バッグの新トレンドは「腰周りに迎える」ですが、「ネヘラ」の新作もしっかりそのあたりを押さえています。横長ウエストバッグは、逆にボディーの華奢感を引き出してくれます。ショルダーストラップとウエストベルトの2本使いはアクティブな印象を生んでいます。やや低めのポジションに吊すと、ショルダーストラップの効果で縦落ち感を印象づけられます。

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「ネヘラ」のポンチョを試着させてもらいました。こちらも、左右にずらして、アシンメトリーに見せることができ、シルエットの変化を楽しめます。表地のダークカラーと裏地のホワイトがいい具合に交わっていて、裏地の見え隠れを計算して着ると、全体に動きや立体感が出て、一段と様になります。

オーバーサイズの人気が続いていますが、「ネヘラ」の創り手は、単にブカブカ、ダボダボのサイズでこしらえるのではなく、服とボディーの隙間を上手に織り込んでいるのが感じられます。

このスペースの使い方がとても巧みなので、程よく布が躍ります。締めたりゆるめたり、閉じたり開けたりといった、動的なバリエーションが多彩で、それ自体が多面的でしなやかな現代女性を表現しているかのようです。

サイズレスでエイジレスというのも、「ネヘラ」の強みです。服との適度な距離感を、様々なギミックやディテールが成り立たせているから、オーバーサイズの仕立てであっても、かえってほっそり見せてもらえます。

目先のトレンドに流されない、独創のフォルムは、どの世代にもなじみやすいうえ、シーズンを超えて着続けたくなります。自分好みのカスタマイズが試せる点でも、愛着が生まれやすい新作の魅力を、ぜひセレンディピティで実際に感じ取ってみてください。

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