THE UPDATE HIGH QUALITY LINE INTRODUCE FREE PAPER

素材から縫製までこだわりがたくさん詰まった、ガリャルダガランテのモノ作りを伝える連載がスタート。 「長く愛せるワードローブの定番に」との想いを込めて完成したアイテムを交え、その背景をご紹介してゆきます。

Vol.1 佐藤繊維のモヘアニット

     
  

シンプルだからこそニットの上質感がキーに

ふわっと長い毛足が醸し出すフェミニンさと、軽くてソフトな着心地。モヘアは、ニットの中でもとりわけリッチな印象を与えてくれる人気の素材です。
そんな魅力がある一方で、肌に触れるとチクチクするという声も。だからこそ素材のクオリティが命と考え、たどり着いたのが「エクストラファインキッドモヘア」でした。
繊細な風合いととろけるような肌触りが最大の特長だから、デザインはシンプルに。丈はちょっと短めにして今年らしく。
シーズンを通して何度も袖を通したくなる、自信作が誕生しました。

モヘアニット ¥16,500 (+ TAX)

     

左:モヘアの下にスムースなウールアクリル地を重ね、2枚仕立てに。極細のモヘアならではのエアリーな軽さと透け感を打ち出しながら、着やすさと肌触りを 考慮しています。

右:襟元や袖口、裾といったリブの部分には、ストレッチ性に富んだ糸を採用。緩みが出ないので着ていて収まりが良く、美しいシルエットも長くキープしてくれます。

MEMBER
  • トラッドなエッセンスのあるアイテムが得意。
    素材やパターンへのこだわりも強く、シンプルなアイテムでも上品な雰囲気を感じさせるデザインをつくりあげる。

多くの女性に愛されてほしいから、最高級素材を手頃なプライスで。
このモヘアニットを一緒に作ってくださったのは、山形に工場を構える「佐藤繊維」さん。海外のトップメゾンも認める紡績&ニットメーカーです。 モヘアの風合いを最優先するべく、編み地も何パターンか試作し、シルエットも吟味。上品な透け感を生かし、スタイルを選ばないデザインに仕上げました。

  • デニムやミリタリーアイテムなどカジュアルラインをメインで担当。
    リアリティとモードを両立させたアイテムバランスがデザインの魅力。
  • 趣味は登山というアクティブさと裏腹に、刺繍やレースなど、手仕事を感じさせる繊細なクリエイションが得意。
High quality. There are background of...
  • ニット素材の中でもひときわ繊細なモヘア糸。一般的なモヘアの原料となる糸の太さが約26ミクロンであるのに対し、生後3か月ほどの仔山羊から採れるキッドモヘアは、さらに極細の24ミクロン。一見わずかとも思えるこの違いが、仕上がりの上質感を左右しているのです。繊維そのものが柔らかいので肌への刺激がなく、光沢もひときわエレガント。そんな極上素材がメイド・イン・ジャパンであることを、皆さんはご存知でしたか?
  • 原毛の産地がある国へ自ら足を運び、生産者と対話しながら優れた原毛を入手。そこから、これまで誰も作ることができなかった革新的な素材を生み出す…。「佐藤繊維」4代目社長である佐藤さんは、時に旅人、そして時に研究者のよう。彼が作るキッドモヘアは、世界でも類を見ない細さと光沢が持ち味で、その品質はもちろん、真摯なもの作りの姿勢に、海外のラグジュアリーブランドからのラブコールも続々と寄せられています。
  • 自然豊かな山形県寒河江市にある「佐藤繊維」本社は、もともと酒蔵だったという石造りの建物。紡績工場では最新鋭のマシンと共に、60年以上前の機械も現役で活躍中。実はこういった古い機械こそ、新素材誕生の立役者。糸のサンプルを作る工房では、「こんな糸があったなら」という佐藤さんのアイデアをもとに、機械を改良しながら日々開発が行われています。エクストラファインキッドモヘアも、そうして完成したオリジナル素材のひとつなのです。
  • 糸の原料となる毛は本来、羊のイメージさながらに、強いウエーブを帯びているのですが、これを機械にかけ、丹念に、何度も繰り返し梳いていくことで、細く、流れも揃った原毛に仕上げていきます。手間のかかる作業ですが、このプロセスこそムラのない糸を作る秘訣なのだそう。そして、撚りの強さや、この原毛を巻き付けるウールやシルクの芯材との相性など、さまざまな条件を考慮しながら糸に加工。美しいニット作りが、ここから始まるのです。

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