THE UPDATE HIGH QUALITY LINE INTRODUCE FREE PAPER

素材から縫製までこだわりがたくさん詰まった、ガリャルダガランテのモノ作りを伝える連載がスタート。 「長く愛せるワードローブの定番に」との想いを込めて完成したアイテムを交え、その背景をご紹介してゆきます。

Vol.2 「カシミア クルーネックニット」カシミヤを、モダンにスポーティーに

     
  

最高級カシミヤに旬のムードをプラスして

カシミヤと言えばニットの王様。柔らかなテクスチャーと、その軽さ、暖かさは、ほかの素材では味わえない贅沢です。ガリャルダガランテでも、秋冬とっておきの素材として幾度もフィーチャーしてきましたが、今年はさらに力を入れて、名産地内モンゴルへ。現地でカシミヤヤギの育つ環境に接しながら、最高級の糸を見つけてきました。このニットのために指名した糸は、混じりけなしの100%ピュアカシミア。高価な素材だけに、本来はふんわりと緩めに編むところを、今回は糸を贅沢に使って厚めのニットに。今の気分にぴったり合う、スポーティな一枚に仕上がりました。

カシミヤニット¥25,000(+TAX)

     



左:着こなしに旬のムードをプラスする、ニットの風合い。今年はしっかりと厚みのあるニットが断然気分です。そこで、柔らかいカシミヤ糸と超極細のサポート糸を一緒にし、キュッと詰まった編地に仕上げました。

右:身頃は天竺編みに、そして袖はリブ編みに。パーツによって編み方を変えることで、もたつきが出ず、より美しいシルエットに。

MEMBER
  • トラッドなエッセンスのあるアイテムが得意。
    素材やパターンへのこだわりも強く、シンプルなアイテムでも上品な雰囲気を感じさせるデザインをつくりあげる。

大人の女性に着てほしい、スウェット感覚のカシミヤ
上質であることはもちろん、日々着こなせるニットを考えた時に、スウェットにも似たスポーティーな雰囲気があるこのニットが思い浮かびました。素材の良さを満喫していただきたいから、装飾は一切つけずシンプルに、モダンですっきりとしたシルエットで勝負。デザインは、モードに着こなせるクルーネックのほか、Vネックとドルマンスリーブなど多数登場。この形は、色も白・ネイビー・グレーのベーシックな3色を取り揃えました。

  • デニムやミリタリーアイテムなどカジュアルラインをメインで担当。
    リアリティとモードを両立させたアイテムバランスがデザインの魅力。
  • 趣味は登山というアクティブさと裏腹に、刺繍やレースなど、手仕事を感じさせる繊細なクリエイションが得意。
High quality. There are background of...
  • 内モンゴル自治区の南西部に位置するオルドス高原。こののどかな高原で、世界中の一流メーカーも信頼を寄せる最高級のカシミヤ糸は生まれています。寒暖の差が激しい独特の気候や、水、食料の安定した供給源があることなど、良質なカシミヤヤギの生育に適した環境がパーフェクトに揃っており、それゆえカシミヤ糸の品質も世界屈指。これだけ条件を満たしている土地は、世界のどの国を見ても、ほかにないそう。
  • ダイヤモンドのランクを決める4つの大切な基準があることはよく知られていますが、カシミアにも品質を決定づけるのにも3つの大切な基準があります。それは、「細さ」「長さ」「白さ」。繊維が細く長いほどに肌触りは滑らかになり、白いほどに鮮やかに染まる。今回生産を依頼した工場では、この3つ基準で厳しく選別された糸だけを使って世界にカシミヤ製品を送りだしているのです。カシミヤは“白いダイヤ”。地元の人々はそう謳いながら、毎日愛情を込めてヤギたちを育て、そしてカシミヤ製品を創りだしています。
  • カシミヤの原毛とは、ヤギの体を寒さから守る冬のうぶ毛のこと。毎年、夏毛に生え代わる4~6月頃、抜け落ちる前を見計らって梳き取っているのです。ここが、羊から毛を刈り取るウールとの大きな違い。高級品ながら、ちょっとエコな素材でもあるんです。しかし、年に一度しか取れないうえに、最終的に一頭から取れる糸は約70g程度という貴重なもの。そのため、毛梳きの作業から選別まで、人々の手で丹念に行われています。
  • 長きにわたり培われた手仕事の技術や素材を見る目も今回のオルドス高原の工場は超一級。今では、毛の選別から製品に仕上げるまで一手に担う世界でも稀なカシミヤ一貫生産工場です。そもそも純度100%のカシミヤ糸は、素材そのものがとてもデリケート。その糸で今回のように厚手の生地を編むということは、実はハードルが高い選択でもありました。着心地抜群のカシミヤの魅力を、今の気分もフォローしながら届けたい。そんな思いを叶えることができたのは、このオルドス高原のカシミヤのおかげなのです。

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