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RIE MIYATA

2016年春トレンド先読み!注目すべき着こなしポイント×6

こんにちは。ファッションジャーナリストの宮田理江です。2015年も残り数日となりました。今年もおしゃれの世界ではいろいろな流行や話題がありましたが、これから気になるのは、来年のファッショントレンド。そこで、2016年春のトレンドを押さえた、6つの着こなしポイントを皆さんにお伝えします。今のうちからインプットしておけば、来年のスタイリングに役立つことでしょう。

◆ワイズエフォートレス

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力みを遠ざけ、リラクシングな風情を漂わせる「エフォートレス」のテイストは日本でもかなり浸透してきました。2016年にはその「発展形」と呼べそうな着姿へと、アレンジが深まっていきそうです。名付けて「ワイズ(賢い)エフォートレス」。過剰に飾り立てたりはしないで、限られたアイテム数の中で見せ方やディテールを工夫する上手な着こなしのことです。たとえば、トップスの裾を正面だけウエストインして、残りは無造作っぽく垂らす「ゆるイン」もそのひとつ。だらしなくは見せない、程々のヌケ感を演出できます。トップスを腰に巻いて、余った袖を遊ばせたり、長めのベルトを巻いて、端をたっぷり垂らしたりといった、「だらり」感を出す小技もこの機会にマスターしておきたい知恵と言えます。小物系ではくつろぎルックに気品を添えるスカーフやブローチを味方につけたいところ。デザインに凝ったウエストポーチも装いにリズムとほほえましさを呼び込むツールとしてカムバック。「賢いエフォートレス」は着姿が退屈に見えにくい点でも取り入れたくなるスタイリングです。

◆イノセントフリンジ

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70年代ブームの主役級ディテールとして復活したフリンジの勢いが止まりません。ロングトレンド化したボヘミアン(ボーホー)の追い風も受けて、フリンジは日本のおしゃれシーンにロングステイを決めたみたいです。でも、人気が長続きしているからこそ、印象を変えるアレンジが大切。ヒッピームードのシンボルだっただけに、大人っぽくエレガント寄りに操ると、印象が様変わり。袖全体からたてがみのようにたっぷり垂らし、ジーンズで合わせるようなコーディネートではなく、ブラウスやカットソーでやさしげでイノセント(無垢)に整えるまとい方が選択肢に加わります。フリンジは装いにほのかな揺らぎを添える名脇役にキャスティング。決して悪目立ちはしないのに、自然と目を誘う。そんなポジションを用意してあげましょう。

◆モデストグラフィカル

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大胆なグラフィカル柄が2016年春夏シーズンのトレンドに浮上してきました。デフォルメしたフラワーモチーフや、ポジティブ色のストライプ、マルチカラーのボーダーなどがキープレーヤーと見込まれています。アフリカンなトライバル模様、ビーチ気分のトロピカル柄にも光が当たりそう。全体にチアフルでカラフルですが、押し出しをきつくしすぎない、モデスト(慎み深い)なさじ加減を意識すれば、着ていける場面が広がります。ホワイト系をベースにダイナミック柄を穏やかに着地させる着こなしを柱に据え、大人の分別を招き入れましょう。ニットトップスの袖を余らせたり、サマーアウターで伸びやかな落ち感を出したりといったアレンジが柄を引き立てます。

◆ロング&リーン

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長細いシルエットを目に残す「ロング&リーン」の演出にも注目が集まります。アルファベットの「I」字を印象づける縦長のフォルムが春夏の装いをすっきり見せてくれます。スタイリングを成り立たせるのは、丈が長めのロングアイテムを軸にしたコンビネーション。膝のあたりまで届くニットトップスや、オーバーレングス気味のサマーアウターが細長いイメージを目に飛び込ませてくれるはず。縦落ち感を増幅するフリンジや、シャープさを引き出す深めスリットなどのディテールもロング&リーン効果に一役買います。着丈の長いトップスには細身パンツが好相性を発揮。山がしっかりある帽子やノーブル顔のヒール靴も縦寸を稼いで、細長感を際立たせてくれます。

◆ウインターサマー

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おしゃれの常識を挑発的に書き換える試みが大きなうねりとなってきました。季節感をあえて踏み越える「シーズンレス」はその代表格。冬のお供だったロングコートも春夏シーズンに進出。スプリングコートという先輩がいたことを思えば、そんなに無茶なお引っ越しでもありません。サマーアウターは当然、重たさや熱こもりを遠ざける配慮が施されているので、見た目よりずっと心地よくまとえます。春夏の装いは時にさっぱりして見えすぎるきらいがありますが、ややワイドめのロングアウターは着姿に優美な抑揚をつけてくれます。前を開けてライトに羽織ると、くつろいだ風情に。丈が長めのボトムスと組み合わせると、縦落ちイメージが引き立つサマーレイヤードに仕上げられます。

◆ユーティリティーフェミニン

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2016年最大級の重要テーマに育っていきそうなのが実用志向の「ユーティリティー」です。意味は割と広くて、着心地や丈夫さなどの機能面を指すこともありますが、モード方面では作業着やエンジニアルックに代表される、比較的マニッシュな装いを意味します。ミリタリーと通じる部分も多くあります。キーアイテムに位置づけられているのは、ワークシャツやオーバーオール、カーゴパンツなど。言ってみれば、工場や農園で働く人たちのムードを拝借した感じ。でも、作業着そのままではなく、角を落として、クリーンでやさしげにまといやすくアレンジするのが今度の春夏らしいチョイス。全体のスタリングでも、フェミニンを足し込むような味付けがこなれ感を生みます。気取らない持ち味を生かしつつ、行動的な雰囲気を醸し出すコーデを意識したいところです。

6つの着こなしポイントに共通しているのは、おしゃれの自由度をさらに高めていく方向感です。楽ちんな着心地を優先しつつ、手抜きや場違いに見えにくい落ち着かせ方のバリエーションが広がってきたとも映ります。つまりは、自分好みのアレンジを実現する選択肢が一段と増えてきたということですから、コーデの知恵やスキルに磨きを掛ける意味はさらに大きくなっていると言えるでしょう。

2016年春の新トレンドの兆しを感じ取っていただけたでしょうか? 今年もこのコラムを読んでくださった皆様、ありがとうございました。皆様にとって素敵な年末年始となりますよう。よいお年をお迎えください。また来年、こちらでお会いしましょう!

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